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アトピー肌の人が洗濯洗剤を選ぶときの考え方。「無添加」だけでは足りない理由|クリーニング専門店が監修

アトピー素因パッチテスト実施済の洗濯洗剤をエビデンスで選ぶイメージ

―「洗うプロ」が客観的エビデンスにこだわる理由―

アトピー素因パッチテスト実施済み。
イメージで選ばない。エビデンスで選ぶ。
肌が敏感な方のための新しい洗濯基準。

洗濯洗剤は、毎日肌に触れるもの。
だからこそ私たちは、「やさしそう」という印象ではなく、
試験結果という事実を大切にしてきました。

この記事では、
肌が敏感な方が洗濯洗剤を選ぶ際に知っておきたい
新しい判断基準を、わかりやすく整理します。

― 勝川ランドリー 監修 ―

アトピー・敏感肌にとって、洗剤は「毎日触れるもの」
衣類を通じて洗剤成分が長時間肌に触れることを示すイメージ写真

私たちは一日中、衣類・タオル・シーツといった「布」に触れて生活しています。
朝起きて袖を通すシャツ、顔を拭くタオル、夜に身体を預けるシーツ。
それらすべては、洗濯洗剤を通過したものです。

アトピーや敏感肌の方から、私たちはこんな声をよく聞きます。

無添加を選んでいるのに、なぜか肌がかゆい
洗剤を変えるたびに、また合わなかったらどうしようと不安になる

洗剤は肌に直接塗るものではありません。
それでも、衣類を通じて長時間、皮膚に触れ続ける存在です。

だからこそ私たちは、
「なんとなく良さそう」「評判がいいから」ではなく、
評価された根拠=エビデンスに基づいて選べる洗剤が必要だと考えています。

これは、単に商品を売るための考えではありません。
毎日洗う人の不安を、これ以上増やさないための
「洗うプロ」としての責任です。

なぜ「雑貨」である洗剤に、ここまで試験をするのか

洗濯洗剤は法律上「雑貨」に分類されます。
化粧品や医薬品のように、厳しい臨床試験や皮膚テストが
義務づけられているわけではありません。

しかし、現場に立つ私たちには、ずっと拭えない違和感がありました。

すすぎきれなかった洗剤成分は、確実に繊維に残ります。
そしてその状態で、24時間、肌と接触し続けるのです。

クリーニングの現場では、
「肌に配慮した洗剤を使っているはずなのに、着ると違和感が出る」
というご相談を、何度も受けてきました。

調べていくと、その多くに共通していたのが、
皮膚刺激テストなどの客観的データに基づかない表現、
つまり根拠が明示されていない“やさしさ”
でした。

だから私たちは考えました。
洗剤もまた、肌に長時間接触する製品として、
より厳しい視点で評価されるべきではないかと。

この考えが、
「洗剤なのに、ここまでやるのか」
と言われる徹底した試験につながっています。

「肌への配慮」を客観的に判断する|3つの安全性評価試験

「肌にやさしい」という言葉は、とても便利です。
しかし同時に、とても曖昧でもあります。

大切なのは、
どの試験を、どの条件で行い、どのような結果が出たのか。
その「事実」です。

 

① スティンギングテスト(刺激感評価)

赤みが出るほどではなくても、
ピリピリ、ムズムズといった一過性の刺激は、
敏感肌にとって大きなストレスになります。

スティンギングテストでは、
刺激感受性の高い被験者を対象に、
この「感覚的な刺激」を数値として評価します。

目に見えない違和感まで向き合うことが、
日常で使い続けられる洗剤設計の出発点だと私たちは考えています。

 

② パッチテスト(24時間閉塞ヒトパッチテスト)
パッチテスト 肌テスト エビデンス 試験結果

洗剤溶液を一定時間、皮膚に接触させ、
赤みなどの反応の有無を観察する、基本的な安全性評価です。

多くの製品では
「健康な成人で問題がなければ十分」とされることがあります。

しかし私たちは、これを
最低限の確認と位置づけています。

なぜなら、実際に困っているのは、
すでに肌が敏感になっている方だからです。

 

③ アトピー素因を有する方によるパッチテスト
アトピー素因パッチテスト、アトピーの既往歴のある方を限定にしたパッチテスト

Save the Oceanでは、健康な方だけでなく、
アトピー素因(既往歴・特異体質)を持つ成人を対象とした
パッチテストを実施しています。

その結果、
皮膚刺激性について評価を行い、
強い刺激反応が認められないことを確認しています。

バリア機能が低下しやすい肌にとって、
健康な肌のデータだけでは十分とは言えません。

より反応が出やすい条件で確認することで、
衣類を通して触れ続ける洗剤としての設計を、
もう一段厳しい視点で見直しました。

※本評価は治療や症状の改善を示すものではなく、
皮膚刺激性を確認するための評価です。
すべての方に皮膚刺激が起きないわけではありません。

洗剤トラブルの多くは、「成分」だけでなく「残留」が関与しています

私たちは、「どんな成分か」以上に、
どれだけ衣類に残らないかを重視しています。

洗剤残留が起こす問題

界面活性剤は汚れを落とす力を持つ一方、
繊維に残ると、汗などの水分で再び溶け出します。

それが皮脂膜に影響すると、

チクチク感
かゆみ
違和感

として感じられることがあります。

これは、成分の良し悪しだけでなく、
物理的な「残留」が関与する問題です。

 

すすぎ回数より「すすぎ性」
alt="パタゴニアのフリースを洗濯機で洗う際の設定例。おしゃれ着コースと弱脱水でやさしく洗う"

「すすぎは2回したほうがいいですか?」
という質問をよく受けます。

私たちが重視しているのは、回数ではありません。
どれだけ少ない水で、洗剤が繊維からサッと離れるか(すすぎ性)です。

少量で使え、流れやすい設計は、
結果として衣類に残る成分量を最小限に抑えます。

これは、敏感肌の洗濯において、
非常に重要な視点です。

「洗浄力がある」とは、肌への刺激を減らすこと

敏感肌向けの洗剤であっても、
「汚れが落ちない」ことは許されません。

防汚性(再汚染防止)の重要性

一度落ちた皮脂やタンパク質が、
洗濯中に再び衣類へ付着することを「再汚染」と呼びます。

これが起きると、
衣類表面に刺激物が残りやすくなります。

汚れを落とし、戻さない設計は、
結果として、肌に触れる異物の量を減らします。

洗浄力とは、強く洗うことではなく、
「きれいな状態を保つ力」だと私たちは考えています。

 

wellwashが洗剤選びの「基準」として機能する理由
洗剤残りを抑えて静電気が起きにくい洗濯を目指すイメージ

wellwashは、
「一番やさしい洗剤」と主張するための製品ではありません。

皮膚刺激性、接触条件、残留、洗浄挙動。
これらを第三者試験で数値として確認し、公開すること。

それによって、
洗剤選びの“基準”を示すことを目的としています。

もし合わなかったとしても、
「何が原因か」を客観的なデータから考えられる。
それが、エビデンスを持つ洗剤の価値です。

wellwashの試験・エビデンスを見る

 

エビデンスを活かすための使い方(要点)

洗剤量は最小有効量で:多すぎは残留の最大の原因です
柔軟剤は一度外してみる:繊維に油分を残しやすいため、まずは洗剤のみで試してください
洗濯槽を清潔に保つ:菌やカビの再付着を防ぐことも、肌への配慮に直結します

納得して洗剤を選ぶということ

洗剤選びは、単なる消耗品選びではありません。
それは、自分の肌と、毎日の生活にどう向き合うかを決める行為です。

私たちはクリーニング屋として、
洗うことの「結果」を何万と見てきました。

だからこそ、
根拠のないやさしさではなく、
確かめた上でのデータを届けたい。

エビデンスを見て、納得して選ぶ。
その積み重ねが、
洗濯を不安な時間から、安心できる日常へと変えていきます。

それが、
私たちが洗剤づくりにここまで向き合う理由であり、
クリーニング屋としての使命です。

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